離婚にともなって、夫婦の一方の名義になっている家やマンションを、もう一方の名義に移すことがあります。これを「財産分与(ざいさんぶんよ)による名義変更」といいます。

このページでは、名義を変える登記(法務局に届け出て、持ち主の記録を書き換える手続き)の流れと費用、気をつけたい税金と期限をまとめました。

運営:司法書士法人ARIAグループ(登記の担当)

1. まず確かめる3つのこと(名義・持分・住宅ローン)

手続きを始める前に、次の3つを確かめます。

  • 家の名義:登記簿(とうきぼ。法務局にある不動産の記録)で、いまの持ち主が誰になっているかを見ます。
  • 持分(もちぶん):夫婦2人の共有名義なら、それぞれの持ち分の割合を見ます。移すのが家全部か、持分の一部かで、手続きと費用が変わります。
  • 住宅ローン:ローンが残っているか、誰が借りているか、連帯債務者(れんたいさいむしゃ。いっしょに返す義務を負う人)や連帯保証人がいるかを見ます。

家の名義とローンの名義は別のものです。名義を変えても、夫婦で取り決めても、それだけで金融機関への返済の義務や連帯保証はなくなりません。ローンが残っている家は、先に借入先の金融機関へご相談ください(詳しくは住宅ローンが残っている家は、離婚でどうなる)。

2. かかる費用

登録免許税(とうろくめんきょぜい。登記のときに国に納める税金)

財産分与による名義変更の登録免許税は、固定資産の評価額の2%です。

  • 評価額は、市区町村の固定資産課税台帳に載っている価格です。固定資産税の「課税標準額」とは違うことがあるので、評価証明書で確かめます。
  • 持分の一部だけを移すときは、その持分にあたる評価額に2%をかけます。
  • 計算の例:評価額が1,000万円の家を全部移すときは、1,000万円×2%=20万円です。
  • 売買のときに使える税率の軽減(土地の軽減や、住宅用の家の軽減)は、財産分与には使えません。

司法書士の報酬

不動産の名義変更登記(財産分与による名義変更。登記に必要な書類の作成を含みます)
担当:司法書士法人ARIAグループ
110,000円(税抜100,000円)~
※登録免許税・証明書の取得費などの実費は別にかかります。住宅ローンの変更がある場合も、別に費用がかかります。

くわしくは料金表をご覧ください。

3. 税金の注意

財産分与で家を渡すと、渡す方と受け取る方の両方に、税金の確認が必要になることがあります。

渡す方:譲渡所得(じょうとしょとく)

家や土地を財産分与で渡した方は、渡したときの時価で売ったものとして扱われます。その時価から、取得費(買ったときの代金など)と譲渡費用を差し引いた額が、譲渡所得(じょうとしょとく。もうけ)になり、所得税などがかかることがあります。

建物の取得費は、持っていた期間の減価償却費(げんかしょうきゃくひ。年数がたって価値が減った分)を差し引いて計算します。そのため、買ったときより値下がりしていても、税金がかかる場合があります。税金がかかるか、特例が使えるかは、税理士にご確認ください。

受け取る方:贈与税

財産分与で受け取った財産には、通常、贈与税はかかりません。ただし、次のような場合は例外です。

  • 夫婦で築いた財産の額などを考えても、分与が多すぎる場合(多すぎる部分にかかります)
  • 贈与税や相続税を逃れるための離婚と認められる場合(受け取った財産のすべてにかかります)

受け取る方:不動産取得税(ふどうさんしゅとくぜい。不動産を取得したときに都道府県に納める税金)

財産分与で受け取った家に不動産取得税がかかるかどうかは、分与の中身によって扱いが違います。夫婦の財産を分け合う(清算する)部分は課税されないことがありますが、慰謝料や生活の支えの意味をもつ部分、結婚前から持っていた不動産などは、課税されることがあります。最後に決めるのは、不動産がある都道府県です。都道府県の税事務所にお確かめください。

税金の判断と申告は、税理士の仕事です。私どもは税務の判断は行いません。ご希望の方には、提携先の川上暁久税理士・社労士事務所をご案内できます(別の事務所で、ご契約も別です)。

4. 合意の内容と、そろえる書類

話し合いで名義を変えるときは、原則として渡す方と受け取る方の2人で登記を申請します。そのため、お2人それぞれに書類をご用意いただきます。

「離婚協議書」という名前の書面がなければ登記できない、というわけではありません。登記には、財産分与で家を移したことが分かる書類(登記原因証明情報=とうきげんいんしょうめいじょうほう)が要ります。司法書士が、合意の内容を確かめて用意します。

だれが主な書類
渡す方(いまの名義の方)登記識別情報(とうきしきべつじょうほう)または権利証/印鑑証明書/実印
受け取る方住民票/認印
共通固定資産の評価証明書/離婚の届出をしたことが分かる戸籍の証明書(必要な場合)/合意の内容が分かる書面

家ごとに必要な書類は変わります。ご相談のときに、お客様ごとの一覧をお渡しします。

家庭裁判所の調停や審判で決まった場合は、調停調書などを使い、受け取る方だけで登記を申請できることがあります。

合意の内容を書面にまとめるときの注意は、離婚協議書に、不動産のことをどう書くかをご覧ください。

5. 登記の時期と日付

以下は、協議離婚(話し合いで離婚の届出をする離婚)をして、財産分与も話し合いで決める場合の原則です。登記に書く日付(登記の原因の日付)は、次のようになります。

  • 離婚したあとに財産分与の話し合いがまとまった場合:話し合いがまとまった日
  • 離婚の届出の前に話し合いがまとまった場合:離婚の届出をした日

協議離婚の場合、離婚の前に合意していても、財産分与で名義を移す登記は、離婚の届出のあとに行います。

調停離婚は、調停が成立した日が離婚の日になります。調停・審判・判決で財産分与が決まった場合は、その書類の内容に合わせて、登記の原因の日付を確かめます。

6. 期限:財産分与を求められる期間

話し合いがまとまらないとき、家庭裁判所に財産分与を求められる期間には期限があります。

離婚した日家庭裁判所に求められる期間
2026年4月1日以降離婚から5年
2026年3月31日まで離婚から2年

これは家庭裁判所に申し立てる期限です。登記を申請する期限とは別のものです。話し合いがまとまっているなら、早めに登記まで済ませておくと安心です。

話し合いがまとまらない、条件で争いがある、という場合は、弁護士にご相談ください。私どもは、離婚の条件についての法律相談や、相手方との交渉はお受けしていません。弁護士をご案内することはできます。

よくある質問

Q. 住宅ローンが残っていても、名義を変えられますか?

登記の手続きそのものはできます。ただし、ローンの契約で、名義を変えるときに金融機関の承諾が必要とされていることがあります。また、名義を変えても返済の義務は残ります。先に借入先の金融機関にご相談ください。

Q. 費用は全部でいくらかかりますか?

登録免許税(評価額の2%)、証明書の取得費などの実費、司法書士の報酬(110,000円(税抜100,000円)~)の合計です。評価額と書類の数で変わるので、初回のご相談で見込みをお伝えします。

Q. 離婚協議書もいっしょに頼めますか?

同じ窓口でご相談いただけます。離婚協議書は、ご夫婦で合意した内容をもとにARIA行政書士事務所が作成します(司法書士法人とは別の事務所で、ご契約も別です)。名義を変える登記は、司法書士法人ARIAグループが行います。

無料相談のご案内

財産分与で家の名義を変えるときは、登記の前に、ローン・税金・書類の確認がいくつもあります。どこから手をつけてよいか分からない段階でも、ご相談いただけます。

※お電話ではご予約をお取りするのみで、具体的なご相談はお受けしていません。

関連ページ:住宅ローンが残っている家は、離婚でどうなる/離婚協議書に、不動産のことをどう書くか/料金表/ARIAグループのサポート体制/トップページ

このページの出典(2026年10月14日に確認)